• 加藤 秀幸

職場でセクハラが起こってしまったら



職場で従業員にセクシュアルハラスメント(以下「セクハラ」)があった場合、行為者だけではなく会社も不法行為責任や使用者責任を問われ、100万円単位の損害賠償請求をされるケースがあります。もちろん、そこまでにはならなくても、セクハラの相談があったらその事実関係を迅速かつ正確に確認し、適正に対処することが必要です。このブログでは厚生労働省が公表している資料に沿って、会社での対処法について紹介したいと思います※1。

※1 社内の方同士のセクハラのケースです。就業規則やセクハラの相談窓口は事前にご準備いただいていることを前提にしています。

セクハラに関する相談・苦情処理手続きの流れは下の図のようになります。この図を念頭に置きながら以下1~5の順で説明します。

  1. 相談窓口にセクハラに関する相談(第一報)

  2. セクハラについて相談を受けた後の事実関係の確認

  3. 被害者に対する適正な配慮の措置

  4. 行為者に対する適正な措置

  5. 再発防止措置


1. 相談窓口にセクハラに関する相談

セクハラにあった従業員または第三者の方から相談窓口への相談(第一報)がきたときは、相談者の話に真摯に耳を傾け丁寧に聴き、相談者の意向などを的確に把握※2することが必要です。特に、被害者の方はセクハラを受けた心理的影響から理路整然と話すことができない場合がありますので、忍耐強く聴くように努めましょう。

※2 相談・苦情への対応の流れの図や相談受付票の雛型が必要な場合は、こちらからお問い合わせください。無料で送付させていただきます。

相談者や行為者などに対して、一律に何らかの対応をするのではなく、労働者が受けている性的言動などの性格・態様によって、状況を注意深く見守る程度のものから、上司、同僚などを通じ、行為者に対し間接的に注意を促すもの、直接注意を促すものなど事案に即した対応を行うことが必要です。なお、対応に当たっては、公正な立場に立って、真摯に対応してください。

2. セクハラについて相談を受けた後の事実関係の確認

相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会等が、相談者及び行為者とされる者の双方から事実関係を確認しましょう。事実確認は、被害の継続、拡大を防ぐため、相談があったら迅速に開始することが必要です。

事実確認に当たっては、当事者の言い分、希望を十分に聴きましょう。また、相談者と行為者とされる者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合には、第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講じてください。

事実確認が完了していなくても、当事者の状況や事案の性質に応じて、被害の拡大を防ぐため、被害者の立場を考慮して臨機応変に対応しましょう。 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合等、男女雇用機会均等法第18条に基づく調停の申請を行うことその他中立な第三者機関に紛争処理を委ねることができます。

3. 被害者に対する適正な配慮の措置

前述の事実確認により、職場におけるセクハラが生じた事実が確認できた場合は、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行ってください。

(措置を適正に行っていると認められる例)

  • 事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪、被害者の労働条件上の不利益の回復、管理監督者又は事業場内産業保健スタッフ等による被害者のメンタルヘルス不調への相談対応等の措置を講ずること。

  • 均等法第18条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講ずること。

4. 行為者に対する適正な措置

事実確認により、職場におけるセクハラが生じた事実が確認できた場合は、速やかに行為者に対する措置を適正に行ってください。

(措置を適正に行っていると認められる例)

  • 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書における職場におけるセクハラに関する規定等に基づき、行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずること。併せて事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪等の措置を講ずること。

  • 均等法第18条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を行為者に対して講ずること。

5. 再発防止措置

改めて職場におけるセクハラに関する方針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措置を講じましょう。事実確認ができなかった場合でも、同様の措置(セクハラ防止策の再点検や周知・啓発等)を講じたほうがよいと思います。

(再発防止に向けた措置を講じていると認められる例)

  • 職場におけるセクハラがあってはならない旨の方針及び職場におけるセクハラに係る性的な言動を行った者について厳正に対処する旨の方針を、社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に改めて掲載し、配布等すること。

  • 労働者に対して職場におけるセクハラに関する意識を啓発するための研修、講習等を改めて実施すること。

セクハラの事実が確認されても、往々にして問題を軽く考え、あるいは企業の体裁を考えて秘密裏に処理しようとしたり、個人間の問題として当事者の解決に委ねようとする事例がみられます。しかし、こうした対応は、問題をこじらせ解決を困難にすることになりかねません。真の解決のためには、相談の段階から、会社が真摯に取り組むこと、また、行為者への制裁は、就業規則等で定めた公正なルールに基づいて行うことが重要です。

就業規則がないと従業員の方に対して制裁を科す(懲戒処分をする)ことはできません。就業規則およびセクハラ防止策の作成等については、こちらからお問い合わせください。無料でお見積りいたします。

厚生労働省

職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に 関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です!!

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000186878.pdf

事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針

(最終改正: 平成28 年8 月2 日厚生労働省告示第314 号)

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000133451.pdf

#労働法 #男女雇用機会均等法 #労働安全衛生法 #労働契約法 #セクハラ

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