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【事業主・人事担当者向け】従業員の労働時間は適正に把握できていますか



使用者(会社)には従業員の労働時間を適正に把握する責任があります。


労働時間を適正に把握できないと正しく賃金を支払うことができないからです。


正しく賃金を支払うことができないと

  • 社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)

  • 雇用保険料

  • 労災保険料

  • 所得税

  • 住民税

の金額を間違えてしまうことがあります。


本来支払うべき社会保険の金額よりも少ない金額を国に納めていると、従業員の方が傷病手当金や年金、失業手当や労災保険を受け取るときに本来受け取れる金額よりも少なくなってしまいます。


加えて、本来支払うべき賃金よりも少ない額しか支払っていなければ、未払い残業代を含めて未払い賃金が発生し、将来の潜在的な債務になりかねません。


このブログでは、労働時間の考え方、労働時間を適正に把握するために会社がすべきことについて順に述べていきます。


労働時間の考え方


労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいいます(平成12年3月9日最高裁第一小法廷判決 三菱重工長崎造船所事件)。


使用者の明示的・黙示的な指示により労働者が業務を行う時間は労働時間に当たります。


したがって定時内に終わるはずがない量の仕事をするよう労働者に命令し、労働者がそれを自宅に持ち帰って仕事をしている時間も労働時間になる可能性があります。


労働時間に該当するか否かは、労働契約や就業規則などの定めによって決められるものではなく、客観的に見て、労働者の行為が使用者から義務づけられたものといえるか否か等によって判断されます。


たとえば、次のような時間も労働時間に該当します。


① 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間


② 使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)


③ 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間


労働時間を適正に把握するために会社がすべきこと


その1 始業・終業時刻の確認・記録


使用者には労働時間を適正に把握する責務があります。


労働時間の適正な把握を行うためには、単に1日何時間働いたかを把握するのではなく、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を使用者が確認・記録し、これを基に何時間働いたかを把握・確定する必要があります。


その2 始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法


使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。


(ア) 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。


「自ら現認する」とは、使用者自ら、あるいは労働時間管理を行う者が、直接始業時刻や終業時刻を確認することです。


 なお、確認した始業時刻や終業時刻については、該当労働者からも確認することが望ましいものです。


(イ) タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。


 タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基本情報とし、必要に応じて、例えば使用者の残業命令書及びこれに対する報告書など、使用者が労働者の労働時間を算出するために有している記録とを突き合わせることにより確認し、記録して下さい。


また、タイムカード等の客観的な記録に基づくことを原則としつつ、自己申告制も併用して労働時間を把握している場合には、その3に準じた措置をとる必要があります。


その3 自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置


その2の原則的な方法によることなく、自己申告制により行わざるを得ない場合、以下の措置を講ずること。


(ア) 自己申告制の対象となる労働者に対して、本ガイドラインを踏まえ、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。


(イ) 実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、本ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと。


(ウ) 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。


特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かるデータを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と当該データで分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。


(エ) 自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること。


その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではないと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければならないこと。


(オ) 自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つものである。


このため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。


また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。


さらに、労働基準法の定める法定労働時間や時間外労働に関する労使協定(いわゆる36協定)により延長することができる時間数を遵守することは当然であるが、実際には延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、実際に労働時間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても確認すること。