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2026年10月からハラスメント対策が強化 ― 企業に求められる新たな対応

11 分前
読了時間: 4分


2026年10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)と、求職者等に対するセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)について、事業主が防止措置を講じることが義務化されました。


今回の改正は、業種や企業規模にかかわらず、すべての事業主が対象となります。


これまでパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントについて社内規程や相談窓口を整備してきた企業でも、今回の改正に合わせて対応内容を確認する必要があります。


1.カスタマーハラスメントとは

カスタマーハラスメントとは、次の3つの要素をすべて満たすものです。


① 顧客等の言動であること

② 業務の性質などに照らして、社会通念上許容される範囲を超えた言動であること

③ その言動によって労働者の就業環境が害されること


具体的には、顧客からの暴言や威圧的な言動、長時間にわたる執拗な要求、不当な金銭要求などが考えられます。


対象となるのは、一般消費者からの行為だけではありません。取引先の担当者などからの言動も含まれます。電話やメール、SNSなどを通じた行為も対象となり得ます。


一方、正当な苦情や改善要望までカスタマーハラスメントに該当するわけではありません。


企業としては、顧客の意見に適切に対応することと、従業員を不当な要求から保護することの両立が求められます。


2.企業が講じなければならない措置

厚生労働省の指針では、主に次のような対応が求められています。


① 会社の方針を明確にする


カスタマーハラスメントには毅然と対応し、従業員を保護するという方針を明確にして、社内に周知します。

どのような行為が問題となるのか、発生時にはどのように対応するのかについても示す必要があります。


② 相談窓口を整備する


従業員が相談できる窓口を設け、担当者が適切に対応できる体制を整えます。

既存のハラスメント相談窓口を活用することも考えられますが、カスタマーハラスメントにも対応できるよう、担当者への説明や対応手順の確認が必要です。


③ 発生後の対応を定める


相談があった場合には、事実関係を迅速かつ正確に確認します。

被害を受けた従業員への配慮や再発防止措置も必要です。


④ 悪質な行為への対応体制を整える


特に悪質な行為への対処方針をあらかじめ定め、必要に応じて管理職が対応を引き継ぐなど、組織として対処できる体制を整えます。


⑤ 相談者を保護する


相談者のプライバシーを保護するとともに、相談したことなどを理由として不利益な取扱いをしないことを従業員に周知します。


3.求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策も義務化

今回の改正では、求職者等に対するセクシュアルハラスメントについても、企業の防止措置が義務化されました。


対象となるのは採用面接の応募者だけではありません。インターンシップ参加者や就職説明会参加者、教育実習などを受ける人も含まれます。


例えば、採用担当者が応募者に対して性的な冗談を繰り返す、私的な食事に執拗に誘うといった行為が問題となる可能性があります。


企業には、こうした行為を禁止する方針の明確化に加え、面談時間・場所、連絡手段などのルールを定め、従業員と求職者等に周知することが求められます。


また、求職者等が利用できる相談窓口をあらかじめ定め、周知することも必要です。


社内従業員向けの相談窓口が存在するだけでは、応募者が相談方法を把握できない場合があります。採用ページや応募者向け案内などに、相談先を明記することが考えられます。


4.中小企業が確認しておきたい実務対応

今回の改正を受け、次の事項を確認しておきましょう。


  • 既存のハラスメント防止規程や社内方針に、今回の改正内容が反映されているか

  • カスタマーハラスメントに対応する相談窓口と責任者が決まっているか

  • トラブルが発生した際、現場担当者だけに対応を任せない仕組みになっているか

  • 採用面接やインターンシップの実施ルールが明確になっているか

  • 求職者等に相談窓口を案内しているか


従業員数が少ない企業では、専任担当者を置くことが難しい場合もあります。その場合でも、経営者や管理職が担当するなど、自社の規模に応じて実効性のある体制を整えることが重要です。


5.まとめ

今回の法改正は、従業員が安心して働ける環境を整えることに加え、採用活動に参加する人を保護することも目的としています。


既存の規程や相談体制を活用できる部分もありますが、単に相談窓口の名称を追加するだけでは十分とはいえません。


まずは現在の取組を確認し、対応が不足している部分から整備を進めていきましょう。


出典

厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」


厚生労働省「従業員を守るために ― カスタマーハラスメント対策の新ルール」


厚生労働省「求職活動等をする方を守るために ― 求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の新ルール」

※本記事は2026年10月28日時点で公表されている情報に基づいています。

 
 
 

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