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2026年(令和8年)の最低賃金改定に伴い確認しておきたい実務対応

24 時間前
読了時間: 4分


2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金が決まり、10月以降、各都道府県で順次、新しい最低賃金が適用されます。


2026年度の地域別最低賃金の全国加重平均額は1,177円で、前年度から56円の引上げとなりました。各都道府県の最低賃金額だけでなく、発効日もそれぞれ異なりますので、事業場の所在地ごとに確認する必要があります。


例えば、

東京都は2026年10月1日から1,280円

神奈川県は同日から1,279円

埼玉県は同日から1196円

千葉県は同日から1,195円

となります。


最低賃金の改定に伴い、企業で確認しておきたい実務上のポイントを整理します。


1.事業場ごとの最低賃金額と発効日を確認する

地域別最低賃金は、原則として実際に働いている事業場の所在地によって決まります。


本社が東京にあっても、神奈川県の事業場で勤務している従業員については、神奈川県の最低賃金を確認します。


また、2026年度は全国一律に10月1日から変更されるわけではありません。都道府県によって発効日が異なるため、複数の都道府県に事業場がある会社は、それぞれ確認しておきましょう。


なお、派遣労働者については、派遣元ではなく派遣先の事業場に適用される最低賃金が基準となります。


2.パート・アルバイトだけでなく月給者も確認する

最低賃金というと、時給制のパート・アルバイトをイメージしやすいですが、月給制の正社員や契約社員も対象です。


月給制の場合には、最低賃金の対象となる月給額を時間額に換算して確認します。


基本的な計算方法は、

月給額 × 12か月 ÷ 年間総所定労働時間

です。


例えば神奈川労働局では、月給25万円の従業員でも、最低賃金の計算対象となる賃金が21万5,000円の場合、時間額は約1,264円となり、2026年10月1日以降の神奈川県最低賃金1,279円を下回る例を示しています。


そのため、総支給額だけを見て判断しないことが大切です。


3.最低賃金の計算に含めない手当を確認する

最低賃金との比較では、毎月支払われる賃金のすべてをそのまま使用するわけではありません。


厚生労働省では、次の賃金などを最低賃金の計算から除外するとしています。

  • 賞与など、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

  • 時間外労働・休日労働・深夜労働の割増賃金

  • 精皆勤手当

  • 通勤手当

  • 家族手当

  • 臨時に支払われる賃金


例えば「基本給+通勤手当+家族手当」で総支給額が最低賃金を十分に上回っているように見えても、通勤手当や家族手当を除いて計算すると最低賃金を下回ることがあります。


固定残業代を導入している会社についても、時間外労働の対価として支払う部分を含めずに確認する必要があります。


4.賃金変更が必要な従業員を洗い出す

最低賃金の改定前に、次の順番で確認しておくと実務上分かりやすくなります。


①従業員ごとに適用される最低賃金を確認する

②最低賃金の対象となる賃金を確認する

③時間額に換算する

④改定後の最低賃金と比較する

⑤不足する場合は賃金の変更を行う


最低賃金を下回る賃金を労使双方が合意して定めた場合でも、その部分は法律上無効となり、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。


賃金変更が必要な場合には、給与計算ソフトの設定変更だけでなく、必要に応じて雇用契約書・労働条件通知書などの記載についても確認しておきましょう。


5.求人票や採用時の賃金も確認する

現在働いている従業員だけでなく、採用活動中の会社では求人情報も確認が必要です。


具体的には、

  • ハローワークの求人票

  • 求人サイト

  • 自社採用ページ

  • パート・アルバイトの募集広告

  • 試用期間中の賃金

などについて、新しい最低賃金を下回る金額になっていないか確認しておきましょう。


特に、以前から掲載している求人情報は、最低賃金の改定後も古い賃金額のまま残っていることがあります。


まとめ

2026年度の最低賃金改定にあたっては、まず次の項目を確認しておきましょう。


□ 事業場ごとの最低賃金額と発効日

□ 時給者だけでなく月給者も確認

□ 最低賃金に含めない手当を除いて計算

□ 賃金変更が必要な従業員の洗い出し

□ 給与計算システムや労働条件の変更

□ 求人票・採用ページの賃金確認


毎年の最低賃金改定を「時給だけを変更する作業」とせず、月給者を含めた賃金の確認や求人情報の見直しまで一連の作業として行っておくことが、実務上の漏れを防ぐことにつながります。


出典

※本記事は2026年9月29日時点で公表されている情報に基づいています。

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