無料のClaudeでも使えるスキル「hr-search」で人事・社労士業務の調べ物を効率化する
7月1日
読了時間: 7分
生成AIは、人事・社会保険労務士業務でもかなり実用的に使えるようになってきました。文章作成、要約、メール文案の作成、ExcelやWordの作業補助など、日常業務の中で使える場面は多くあります。
一方で、人事・労務分野で生成AIを使う場合に特に気を付けたいのが「回答の正確性」です。労働法、社会保険、雇用保険、助成金、育児介護休業法などの情報は、古い情報や不正確な情報をもとに判断すると実務上の問題につながります。
そこで今回紹介したいのが、無料のClaudeでも使えるClaude Skill「hr-search」です。
hr-searchは、人事・労務分野の調べ物をするときに、厚生労働省、日本年金機構、e-Gov、労働局、自治体などの行政サイトを優先して確認し、根拠を示しながら回答するためのSkillです。
無料のClaudeでも利用できるため、「まずは費用をかけずに生成AIを試してみたい」という人事担当者や社労士の方にも使いやすいと思います。
※本稿は2026年6月末時点の情報に基づいています。
1 ClaudeのSkillsとは何か
ClaudeのSkillsとは、簡単に言うと「Claudeに仕事の進め方を覚えさせるための説明書」のようなものです。
通常、生成AIに質問すると、こちらの質問文をもとに回答が作られます。しかし、毎回「行政サイトを優先して」「根拠URLを付けて」「不明な点は不明と書いて」「古い情報と新しい情報を混ぜないで」と細かく指示するのは大変です。
Skillsを使うと、このような作業手順や注意点をあらかじめClaudeに持たせることができます。
つまり、Skillsは単なる便利機能というより、「この仕事はこの手順で進めてほしい」という自分なりの業務マニュアルをClaudeに渡す仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
2 hr-searchとは何か
hr-searchは、人事・労務分野の調べ物に使うためのClaude Skillです。
人事・労務の調べ物では、インターネット上の一般的な解説記事だけでなく、行政サイトを確認することが重要です。たとえば、厚生労働省、日本年金機構、e-Gov、都道府県労働局、自治体などです。
hr-searchを使うと、Claudeに対して、次のような調査方針を持たせることができます。
行政サイトを優先して確認する
根拠となるURLを示す
公式情報が見つからない場合は無理に断定しない
施行日、対象者、要件、手続き、注意点を分けて整理する
人事・社労士業務で確認すべき点をまとめる
もちろん、Claudeの回答をそのまま最終判断にするのではなく、最後は人間が根拠URLを開いて確認する必要があります。
ただ、最初の調査、情報の整理、顧問先や社内向けの説明文のたたき台作成までをClaudeに任せられれば、かなり作業時間を短縮できます。
3 Google検索との違い
人事・労務の調べ物では、Google検索を使うことが多いと思います。Google検索は非常に便利ですが、検索結果の一覧から、どのページが公式情報なのか、いつの情報なのか、実務でどこまで使えるのかを自分で判断する必要があります。
また、検索結果には、行政サイトだけでなく、解説サイト、広告、古い記事、個人ブログなども表示されます。その中から必要な情報を探し、複数ページを読み比べ、顧問先や社内説明に使える形に整理するには、それなりに時間がかかります。
一方で、hr-searchを使ったClaudeは、最初から「行政サイトを優先して調べる」という前提で回答を作ります。
Google検索が「情報を探す入口」だとすると、hr-searchを使ったClaudeは「人事・労務の実務向けに、調べ方とまとめ方を指定した調査補助」と言えるでしょう。
4 ハルシネーションを減らすための使い方
生成AIを使う上で避けて通れないのがハルシネーションです。ハルシネーションとは、生成AIがもっともらしい誤情報を作ってしまう現象を指します。
hr-searchは、このハルシネーションを減らすために、行政サイトなどの信頼できる情報源を優先して確認するためのSkillです。
ポイントは、Claudeの回答を「答え」としてそのまま信じるのではなく、「根拠を確認するための整理結果」として使うことです。
たとえば、Claudeが回答の中で厚生労働省のURLを示したら、そのURLを開き、制度の内容、施行日、対象者、例外などを確認します。こうすることで、生成AIの便利さを活用しながら、実務上必要な確認も行うことができます。
5 hr-searchのインストール手順
hr-searchは、GitHubからダウンロードしてClaudeにインストールします。
手順は次のとおりです。
1. 次のGitHubページを開きます。
2. 画面右側、またはページ内の「Releases」をクリックします。
3. Releasesの一覧から「hr-search v1.0.3」を開きます。
4. 「Assets」を開きます。
5. `hr-search.skill` をクリックしてダウンロードします。
6. Claudeを開きます。
7. Claudeの設定画面を開きます。
8. 「Capabilities」またはそれに相当する設定画面で、「Code execution and file creation」を有効にします。
9. 「Customize」から「Skills」を開きます。
10. 「+」ボタンをクリックします。
11. 「Upload」または「Upload a skill」を選びます。
12. ダウンロードした `hr-search.skill` を選択してアップロードします。
13. Skillsの一覧に `hr-search` が表示されたら、有効になっていることを確認します。
14. Claudeに「hr-searchを使って、○○について行政サイトを優先して調べてください」と依頼します。
画面の表示やメニュー名は、Claudeのアップデートにより変わる可能性があります。その場合は、Claudeに「ダウンロードしたhr-search.skillをClaudeにインストールする手順を教えて」と聞くとよいでしょう。
6 人事・社労士業務での使い方
たとえば、次のような依頼が考えられます。
「hr-searchを使って、育児介護休業法の2025年改正について、厚生労働省の公式情報を優先して調べてください。施行日ごとに、会社が対応すべき内容を表にしてください。」
「hr-searchを使って、令和○年度の助成金について、公募が始まっているかを行政サイト中心に確認してください。公式URLがある場合は付けてください。未公表の場合は未公表と書いてください。」
「hr-searchを使って、日本年金機構の情報を根拠に、社会保険の資格取得手続きについて、顧問先に説明するメール文案を作ってください。」
このように使うと、単なる一般論ではなく、行政情報を確認する前提で回答を組み立てやすくなります。
特に便利なのは、調査結果をそのまま実務文書のたたき台にできる点です。社内説明資料、顧問先向けメール、チェックリスト、FAQ、セミナー資料などの作成にもつなげることができます。
7 利用時の注意点
hr-searchは便利ですが、生成AIを使う以上、注意点もあります。
まず、個人情報や機密情報を安易に入力しないことです。顧問先名、従業員名、具体的な相談内容などを入力してよいかは、利用しているClaudeのプラン、設定、社内ルール、顧問先との契約内容によって検討が必要です。
次に、Claudeの回答をそのまま最終判断にしないことです。特に法令、助成金、行政手続き、期限、金額、対象者などは、必ず根拠URLを開いて確認する必要があります。
生成AIの回答は、あくまで調査と整理を効率化するためのものです。最終的な判断は、従来どおり人間が行う必要があります。
8 分からないことはClaudeに聞いてよい
生成AIやSkillsについて、最初からすべて理解している必要はありません。
むしろ、分からないことがあればClaudeに聞く、という使い方が大切です。たとえば、次のように聞いてみるとよいでしょう。
- Skillsとは何ですか。人事・労務の仕事でどう使えますか。
- hr-searchはどのような場面で使うとよいですか。
- この調査結果のうち、人間が必ず確認すべき点はどこですか。
- 顧問先向けのメール文にする場合、どのように書けばよいですか。
生成AIは、使い方を覚えてから使うものというより、使いながら使い方を覚えていく道具です。hr-searchも同じです。最初は簡単な調べ物から使い始め、少しずつ自分の業務に合う使い方を見つけていくのがよいでしょう。
9 まとめ
人事・社労士業務では、正確性と効率の両方が求められます。特に法令、制度改正、助成金、社会保険手続きなどの調べ物では、信頼できる行政サイトを根拠に確認することが重要です。
無料のClaudeでも利用できるhr-searchは、行政サイトを情報源にした調べ物を効率化するための便利なSkillです。
生成AIに丸投げするのではなく、信頼できる情報源に早くたどり着き、実務で使いやすい形に整理するための補助として使うとよいでしょう。
まずは、普段よく行っている調査業務を1つ選び、「hr-searchを使って行政サイトを優先して調べてください」とClaudeに依頼してみてください。そこから、人事・社労士業務に合った生成AI活用を始められると思います。
参考情報
- Claude Skills
- Claude Help Center「Use skills in Claude」
- hr-search配布ページ




















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