中小企業でメンタルヘルス対策(はじめの一歩)

独立行政法人労働者健康安全機構 東京産業保健総合支援センターで無料で受けられるサービス等その紹介をさせていただきます。「中小企業でメンタルヘルス不調について対策をしたいけど何から手を付けてよいか分からない」という方は助成金についても触れていますので最後までお付き合いください。
メンタルヘルス不調のデメリット
メンタルヘルス不調による休業者1人あたりにかかるコスト
30歳台で年収400万円の方が休職した場合、休職されている方の社会保険料4~5万円/月(会社負担)と、その方の代替要員の人件費(社会保険料と雇用保険料含む)がかかります。
産休・育休で休職されている方の社会保険料は免除されますが、メンタルヘルス不調で休職されている方の社会保険料は免除されません。
メンタルヘルス不調が起こった場合の会社の責任と損害賠償
メンタルヘルス不調・自殺と業務の間に因果関係があり、メンタルヘルス不調を起こした方の日常の言動等から予見可能性がある場合、会社が予防措置を取っていなかったら、会社は責任を問われ損害賠償する必要が出てきます(知らなかったでは済まされません)。
最近の地方裁判所の裁判例になりますが、従業員数50名の中小企業で過重労働からうつ病を発症し自殺に至ってしまったケースでは、会社に6,300万円の損害賠償の支払いを命じました(高等裁判所に控訴)。
でも、どのようにメンタルヘルス対策を進めてよいか分からない。そのような場合には以下のサービスをご活用ください。
メンタルヘルス対策支援の組織と内容
独立行政法人労働者健康安全機構(組織図)は労災病院の設置運営を始め、働く方の健康や安全の確保を図ることを目的としており、その中で東京産業保健総合支援センターは産業医や衛生管理者の方への必須研修等を無料で実施しています。今回紹介させていただきたいのは、メンタルヘルス対策支援が無料で受けられるサービスです。サービスを受けられる回数等に制限はありますが、特に中小企業ではメンタルヘルス対策が後手に回ってしまうケースもお聞きしますので、はじめの一歩として是非ご活用いただければと思います。
メンタルヘルス対策の導入支援
ストレスチェック制度の解説
「心の健康づくり計画」や「職場復帰プログラム」の策定に関する助言(複数回の訪問で1~3カ月程度)
衛生委員会での調査審議への助言
管理者教育(1事業場1回限り)
管理者の方を対象とした2時間程度の教育を実施します。
新入社員や20歳台の若手職員向け若年労働者教育(1事業場1回限り)
若手労働者の方を対象とした2時間程度のセルフケアを促進する教育を実施
上記、サービスが無料で受けられます。
支援申込先(東京産業保健総合支援センター)
TEL:03-5211-4480 FAX:03-5211-4485
心の健康づくり計画助成金
会社が各都道府県の産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員の助言・支援を受けて、心の健康づくり計画(ストレスチェック実施計画を含む)を作成し、計画を踏まえメンタルヘルス対策を実施した場合に、(将来にわたって1回に限り)一企業につき一律10万円の助成を受けることができる制度です。職場におけるメンタルヘルス対策のために、是非ご活用ください。
平成30年度から、個人事業主も助成の対象となりました。
申請期間は平成 30 年 4 月 24 日から平成 31 年 6 月 30 日まで(消印有効)です。申請期間中でも助成金支給申請の受付を終了することがありますのでご留意ください。
「心の健康づくり計画」や「職場復帰プログラム」の策定・運用でお手伝いが必要になりましたらメイトー社会保険労務士事務所までご依頼ください。
社会保険労務士 加藤秀幸
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