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Google Workspace NotebookLMで就業規則を検索する方法

  • 執筆者の写真: 加藤 秀幸
    加藤 秀幸
  • 11月3日
  • 読了時間: 5分



企業や社会保険労務士事務所では、複数の就業規則や関連規程(例:一般社員用・管理職用・パートタイマー用など)をWordやPDFで管理しているケースが多くあります。これらの文書は法改正や社内ルールの変更のたびに更新され、ファイルが増えるほど「どの規程のどこに該当する条文があるのか分からない」という課題が生まれます。


例えば、以下のような悩みがよくあります:

  • 「懲戒に関する条文はどのファイルに書かれていたか思い出せない」

  • 「営業部と製造部で懲戒処分の規定が違うが、比較が大変」

  • 「労働基準監督署の指導に備えて、関連条文をすぐ提示したい」


従来はWordファイルを1つずつ開き、Ctrl+Fで検索して確認するしかありませんでしたが、Google WorkspaceのNotebookLMを使えば、複数の就業規則を横断的にAIが読み取り、瞬時に該当箇所を抽出・要約してくれます。


Google Workspaceとは


Google Workspace(旧G Suite)は、Googleが提供する法人・組織向けのクラウド型業務ツール群です。メール(Gmail)、カレンダー(Google カレンダー)、ドキュメント(Google ドキュメント)、スプレッドシート(Google スプレッドシート)、ドライブ(Google ドライブ)などが含まれ、社内の情報共有・共同編集・データ管理を効率化することができます。


Google Workspaceの特徴は次の通りです:


  • すべてのデータがクラウド上で管理され、PCやスマートフォンからいつでもアクセス可能。

  • 複数人でのリアルタイム編集やコメント機能により、社内での共同作業がスムーズ。

  • 高いセキュリティ基準(2段階認証やアクセス制御)により、機密文書の管理にも安心。

  • AI連携機能(Gemini・NotebookLMなど)が組み込まれ、業務効率化を強力に支援。


NotebookLMは、このGoogle Workspaceの中でも新しいAIアシスタントツールとして登場し、自分がアップロードした文書を“理解するAI”として注目されています。


NotebookLMとは


NotebookLM(ノートブックLM)は、Google Workspaceで提供されているAIドキュメントアシスタントです。自分がアップロードしたWordファイルやPDFなどを元に、AIが内容を理解し、質問に答えたり要約したりしてくれる非常に便利なツールです。


今回は、複数の就業規則ファイル(Word形式)をNotebookLMにアップロードし、「懲戒」や「割増賃金率」についての情報を見つける方法を、わかりやすく手順付きで紹介します。


ステップ1:NotebookLMにアクセス


  1. ブラウザで https://notebooklm.google.com/ にアクセスします。

  2. Googleアカウント(Google Workspaceアカウント)でログインします。

  3. 画面右上に「新しいノートブックを作成」ボタンがあるのでクリックします。


ステップ2:ノートブックを作成


  1. 「新しいノートブック」に名前をつけます(例:「就業規則AI検索ノート」)。

  2. 作成したノートブックを開くと、右側に「ソースを追加」というメニューが表示されます。


ステップ3:Wordファイル(就業規則)をアップロード


  1. 「ソースを追加」→「ファイルをアップロード」をクリックします。

  2. 就業規則のWordファイル(.docx)を複数選択してアップロードします。

    例:「2023年度版_就業規則.docx」「製造部_就業規則.docx」「営業部_就業規則.docx」など

  3. アップロードが完了すると、NotebookLMが自動的にファイルを解析して中身を理解します。

💡 ポイント:

  • 各ファイルの内容はNotebookLMの「ソース」として扱われます。

  • 同一テーマの規程(例:人事制度・賞罰規程など)をまとめてアップロードすると、横断的に検索できます。


ステップ4:「懲戒」について質問する


  1. ノートブック画面左側の「質問欄」に以下のように入力します:

    「懲戒の種類と手続きについて教えてください」

  2. NotebookLMは、アップロードした複数のWordファイルを横断的に読み取り、関連部分を抽出して回答します。

  3. 回答には「出典(ソース)」として、どのWordファイルのどの箇所から情報を取ってきたかが示されます。

例:

  • 『2023年度版_就業規則.docx』第9章 懲戒 第45条「懲戒の種類」より引用

  • 『営業部_就業規則.docx』第10条「懲戒の手続」より引用


ステップ5:「割増賃金率」について質問する


NotebookLMは、就業規則に定められた賃金関係の条文にも対応できます。例えば、時間外労働や休日労働に関する割増率を確認したい場合は次のように質問します。


  1. 質問欄に以下を入力:

    「割増賃金率について、どのように定められていますか?」

  2. NotebookLMは、アップロードされたすべての就業規則を横断的に読み取り、該当する「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」などの条項を抽出します。

  3. 回答例:

    『2023年度版_就業規則.docx』第37条「時間外・休日労働の割増賃金」より引用:

      「時間外労働については25%以上、休日労働については35%以上の率で割増賃金を支払う。」

    『製造部_就業規則.docx』第15条より引用:

      「深夜(午後10時から午前5時まで)の勤務については25%以上の率で支払う。」

  4. さらに次のような質問で理解を深めることも可能です:

    「法定以上の割増率を定めている部門はどこですか?」

    「36協定との関係で割増賃金の上限について触れている箇所を教えてください。」


NotebookLMは、これらの質問に応じて、各ファイルから該当箇所を抜き出し、比較表のように整理して提示してくれます。


ステップ6:回答を確認・要約する


NotebookLMの回答は非常に柔軟です。次のような質問を追加して、より整理された情報を引き出せます。


  • 「懲戒の種類を箇条書きでまとめてください」

  • 「懲戒処分を行う際の手続きを要約してください」

  • 「割増賃金率の違いを部門別にまとめてください」


ステップ7:回答を活用する


得られた回答はそのままWordやGoogle Docsにコピーして報告書にまとめることができます。

また、NotebookLMの「ノート」機能を使えば、回答をそのままノートに保存し、後で検索・引用も可能です。


まとめ


  1. NotebookLMにアクセスし、新しいノートブックを作成

  2. Wordファイル(就業規則)を複数アップロード

  3. 「懲戒」や「割増賃金率」などのキーワードで質問する

  4. AIが該当条文を抽出・要約して回答

  5. 回答をノートに保存・再利用する


使い方の応用例


  • 「育児休業」や「有給休暇」の規定を横断的に比較

  • 各部門の就業規則の違いを一覧化

  • 改定前後の就業規則を並べて変更点を確認

  • 「割増賃金」「労働時間」「休憩時間」などをテーマ別に抽出して社内研修資料に活用


おわりに


NotebookLMを使えば、従来のようにWordファイルを一つずつ開いて検索する手間を大幅に削減できます。社内の複数規程をまとめてアップロードしておけば、必要な条文をすぐに確認でき、社労士業務や総務担当者の実務効率化に大きく役立ちます。

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