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従業員の副業・兼業の促進に関するガイドライン



人生100年時代を迎え、自らの希望する働き方を選べる環境を作って いくことが必要であり、副業・兼業などの多様な働き方への期待が高まっています。


そして昨年からの新型コロナウイルス感染拡大により、副業・兼業のニーズが更に顕在化してきたといってもよいでしょう。


この記事では、企業が副業・兼業を進める上でどのような対応が必要になるか解説していきます。



副業・兼業とは?


副業・兼業を行うということは、二つ以上の仕事を掛け持つことをここでは想定しています。 副業・兼業は、企業に雇用される形で行うもの(正社員、パート・アルバイトなど)、自ら起業して事業主として行うもの、コンサルタントとして請負や委任といった形で行うものなど、さまざまな形態があります。



副業・兼業は認めないといけないの?


副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であるとされており、裁判例を踏まえれば、企業は原則、副業・兼業を認める方向で検討することが適当です。副業・兼業を禁止している企業や一律許可制にしている企業は、まずは、原則副業・兼業を認める 方向で就業規則などの見直しを行い、労働者が副業・兼業を行える環境を整備しましょう。



副業・兼業を進める上で企業はどんな対応が必要になるの?


就業規則などの見直しにより、副業・兼業を認める環境が整ったら、次に注意しないといけない のは、「労働時間の通算管理」です。労働者が雇用される形で副業・兼業を行う場合、原則として、 自社と副業・兼業先の労働時間を通算して管理する必要があります。


労働時間を通算して管理するために、まずは、労働者が行う副業・兼業の内容を確認する必要が あります。副業・兼業開始前に、労働者からの申告などにより、必要な情報を確認しましょう。


副業・兼業の内容を確認したら、次は労働時間の通算です。労働時間の通算方法は二通りで、原則的な方法と簡便な方法(「管理モデル」といいます。)があります。 労働時間を通算して管理するにあたって自社で取り入れやすい方法を採用し、自社と副業・兼業先 の労働時間を確実に通算するようにしましょう。


副業・兼業を進める上では、長時間労働になり労働者の健康が阻害されないよう、過重労働を防止 することや健康確保を図ることが重要です。 労使でコミュニケーションを図り、労働者の健康確保に必要な措置を講じるようにしましょう。


副業・兼業を進めるステップ


STEP1 就業規則等の整備

副業・兼業を禁止や一律許可制にしている企業は、副業・兼業を認める方向で就業規則等を見直すことが望ましいです。


STEP2 副業・兼業に関する届出

労働者は、副業・兼業を希望する場合は、まず、自身が勤めている会社の副業・兼業に関するルールを確認し、副業・兼業先が決まったら、就業規則等に定められた方法にしたがい、会社に副業・兼業の内容を届け出ましょう。


STEP3 副業・兼業の内容の確認

使用者は、当然には労働者の副業・兼業を知ることができないため、労働者からの申告等により、 副業・兼業の有無・内容を確認することが考えられます。使用者は、副業・兼業が労働者の安全や健康に支障をもたらさないか、禁止または制限しているものに該当しないかなどの観点があります。


STEP4-A 所定労働時間の通算

STEP3で確認した副業・兼業の内容にもとづき、自社の所定労働時間と副業・兼業先の所定労働 時間を通算し、時間外労働となる部分があるかを確認します。


STEP4-B 管理モデルの導入

副業・兼業を行う労働者に管理モデルにより副業・兼業を行うことを求め、労働者と労働者を通じて副業・兼業先がそれに応じることによって導入されることが想定されます。

管理モデルとは?

副業・兼業の日数が多い場合や、自社と副業・兼業先の双方で所定外労働がある場合などにおいては、 労働時間の申告等や労働時間の通算管理において、労使双方の手続上の負荷が高くなることが考えられ ます。管理モデルは、そのような場合において、労使双方の手続上の負荷を軽くしながら、労働基準法に定める最低労働条件が遵守されやすくなる方法です。管理モデルの詳細はこちらの16ページをご覧ください。


STEP5-A 所定外労働時間の通算

副業・兼業の開始後は、自社の所定外労働時間と副業・兼業先における所定外労働時間とを当該所定外労働が行われる順に通算します。


STEP5-B 管理モデルの実施

STEP4-Bで設定した労働時間の上限の範囲内において労働させます。


STEP6 健康管理の実施

企業と労働者がコミュニケーションをとり、労働者が副業・兼業による過労によって健康を害した り、現在の業務に支障を来したりしていないか、確認することが望ましいです。


出典


副業・兼業の促進に関するガイドライン - 厚生労働省


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