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労働者として働くときに関係する法律



この記事では、あなたがこれから就職をし、働く際に知っておきたい労働に関する基本的な知識(労働法)について、まとめています。ここに書かれていることは全てではありませんが、働いていく上でいざというときに役立つ知識を集めました。


第1章 労働法について


1 労働法とはなんだろう

労働法といっても、「労働法」という名前がついた一つの法律があるわけではありません。 労働問題に関するたくさんの法律をひとまとめにして労働法と呼んでいます。その中には、 労働基準法や雇用保険法をはじめ、男女雇用機会均等法、最低賃金法といった様々な法 律が含まれています。


2 労働法の役割とは

あなたが会社に就職しようとする場合、あなた(働く人、労働者)と会社(雇う人、使用者、事業主)との間で、「働きます」「雇います」という約束=労働契約(または雇用契約とも呼ばれます)が結ばれます。どういう条件で働くかといった契約内容も労働者と使用者の合意で決めるのが基本です。

だからといって、この契約を全く自由に結んでよいというわけではありません。そこで労働者を保護するための法律が労働法です。

なお、労働法の保護を受ける「労働者」には、雇われて働いている人はみんな含まれますので、正社員だけでなく、パートやアルバイトでも「労働者」として労働法の適用を受けます。


第2章 働き始める前に


1 労働契約を結ぶとき

あなたが仕事をするときは、仕事の内容や給料、勤務日などの労働条件を確認してください。次の5項目については、口約束だけではなく、きちんと書面(またはメール等)を会社からもらえることが労働基準法で決まっています。


① 契約はいつまでか(労働契約の期間に関すること)

② どこでどんな仕事をするのか(仕事をする場所、仕事の内容)

③ 仕事の時間や休みはどうなっているのか(仕事の始めと終わりの時刻、残業の有無、休憩時間、休日・休暇、就業時転換(交替制)勤務のローテーションなど)

④ 賃金はどのように支払われるのか(賃金の決定、計算と支払いの方法、締切りと支払いの時期)

⑤ 辞めるときのきまり(退職に関すること(解雇の事由を含む))


なお、時給計算して最低賃金を下回る労働契約がされていないかも要チェックです。


2 安心して働くための各種保険と年金制度


雇用保険:週20時間以上かつ1か月以上継続して働く場合には加入しなければなりません。そして雇用保険に加入したら、毎月の給与から保険料を払います。また、退職したら、一定の条件の下、失業手当(基本手当)をもらえます。


労災保険:労働者ならば、仕事中または通勤中のケガや病気について保険を受けられます。労働者は保険料を払わず、会社が保険料を全額払います。


健康保険:おおむね週30時間以上(501人以上の会社の場合は週20時間以上)かつ2か月超継続して働く場合には加入しなければなりません。健康保険に加入すると保険証がもらえ、毎月の給与から保険料を払います。あなた(またはあなたが扶養する人)が病院の窓口で払う額(窓口負担)が治療費の3割となります。


厚生年金保険:おおむね週30時間以上(501人以上の会社の場合は週20時間以上)かつ2か月超継続して働く場合には加入しなければなりません。厚生年金保険に加入すると毎月の給与から保険料を払います。あなたが高齢となって働けなくなったり、何らかの病気や怪我によって身体に障害が残ってしまった場合に、一定の条件の下、年金や一時金をもらえます。


第3章 働くときのルール


1 労働条件が違っていたら

実際に働き始めたら、給料、労働時間、仕事の内容など、あらかじめ示された労働契約の内容と実際の労働条件が違っていた場合にはどうすればよいのでしょうか。

そのような場合には、労働者は約束通りにするように要求できますし、そのことを理由にすぐに契約を解除することが認められています(労働基準法第 15 条)。この場合は有期労働契約の契約期間途中であっても、退職することができます。

また、「今、経営が苦しいので来月から給料を引き下げます」などと、会社が勝手に労働条件を変更しようとした場合にはどうすればよいのでしょうか。賃金などの労働条件は、使用者と労働者で交わした約束(労働契約)で定められているものですから、会社は払うと約束した賃金はきちんと支払わなければならず、労働者の同意がないのに、労働者に不利益なものに変更することは、約束違反であり許されません(労働契約法第 9 条)。


2 就業規則を知っていますか

あなたが会社で働くときの労働条件は、その職場で働く人たちみんなに共通のものが多いですが、そのような共通のルールは「就業規則」に定められることになっています。

就業規則は、労働者の賃金や労働時間などの労働条件に関すること、職場内の規律などについて、労働者の意見を聴いた上で使用者が作成するルールブックです。大勢の集まりである会社においては、ルールを定めそれを守ることで、みんなが安心して働き、無用なトラブルを防ぐことができるので、就業規則の役割は重要です。就業規則は、掲示したり配布したりして、労働者がいつでも内容がわかるようにしておかなければいけないとされていますので(労働基準法第 106 条)、自分の職場で何か気になることがあるときは、就業規則を見て確認しましょう。

なお、労働者が10人未満の会社には就業規則がない場合がありますが、法律違反ではありません。


3 労働時間と休憩・休日についてのきまり


労働時間のきまり

働く時間の長さは法律で制限されています。労働基準法では、1日の労働時間を8時間以内、1週間の労働時間を40時間以内と定めています(法定労働時間、労働基準法第32 条)。


また、使用者が労働者に時間外労働をさせた場合には割増賃金を払わなければなりません。

① 法定労働時間を超えて働かせた時(時間外労働)は25%以上増し

② 法定休日に働かせた時(休日労働)は35%以上増し

③ 午後10時から午前5時までの深夜に働かせた時(深夜労働)は25%以上増し


休憩・休日のきまり

使用者は1日の労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも60分の休憩を勤務時間の途中で与えなければいけません(労働基準法 34 条)。

休憩時間は労働者が自由に利用できるものでなければならないので、休憩中でも電話や来客の対応をするように指示されていれば、それは休憩時間ではなく労働時間とみなされます。

また、労働契約において労働義務を免除されている日のことを休日といいます。使用者は労働者に毎週少なくとも1回、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。(法定休日、労働基準法第 35 条)


4 男女がいきいきと働くために


性別による差別の禁止

会社は、労働者の募集・採用について性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならないとされています(男女雇用機会均等法第 5 条)。

また、会社は、配置、昇進、降格、教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職の勧奨、定年、解雇、労働契約の更新において、労働者の性別を理由として差別的な取り扱いをしてはいけません(男女雇用機会均等法第 6 条)。

労働者が女性であることを理由として、賃金について男性と差別的取扱いをすることも禁止されています(男女同一賃金の原則、労働基準法第 4 条)。


仕事と家庭の両立のために

仕事と家庭の両立を図りながら、充実した職業生活を送れるように、妊娠・出産、育児、介護をサポートし、働く男性、女性とも仕事を辞めずに続けられるような制度が設けられています。

まず、出産を予定している女性労働者は産前6週間(双子以上の場合は14週間)、休業することができます。また、使用者は、産後8週間は、就業させてはいけません(ただし、産後6週間経過後に、本人が請求し、医師が認めた場合は就業できます)(産前産後休業、労働基準法第65条)。その他、妊婦健診の時間を確保したり、育児時間を取得できるなどの規定もあります。

また、育児・介護休業法によって、原則として子どもが1歳(一定の場合は1歳6か月)になるまで、育児休業を取得することができます。育児休業は、女性だけでなく男性も取得できます。使用者は対象となる労働者からの育児休業の申し出を拒むことはできません。


第4章 仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき


1 仕事を辞めるには(退職)

労働者からの申し出によって労働契約を終了することを退職といいます。

会社を退職することは労働者の自由ですが、予告もせず、いきなり会社に行かなくなるというようなことはルール違反です。退職の意思を上司に伝え、書面で届け出る、仕事の引き継ぎをするなど社会的ルールを守って辞めることが大切です。一般的に就業規則などに「退職する場合は退職予定日の1ヶ月前までに申し出ること」というように定めている会社も多いので、就業規則で退職手続きがどうなっているか調べることも必要です。

また退職の申し出にあたっては、契約期間の定めがある労働契約を結んでいた場合と、そうでない場合とで法律上異なったルールが定められています。

正社員などのように、あらかじめ契約期間が定められていないときは、労働者は少なくとも2週間前までに退職届を提出するなど退職の申し出をすれば、法律上はいつでも辞めることができます(会社の就業規則に退職手続きが定められている場合はそれに従って退職の申し出をする必要があります)。

アルバイトでよくあるように、3か月間などあらかじめ契約期間の定めがあるとき(有期労働契約)は、契約期間の満了前に退職することは契約違反ですから、やむを得ない事情がない限り、契約期間の途中で退職することはできません。


2 仕事を辞めさせられるとは(解雇)

使用者からの申し出による一方的な労働契約の終了を解雇といいますが、突然「君はこの会社に合わないからもう来なくていいよ」と言われてしまったら、労働者の生活はひどく不安定なものになってしまいます。解雇は、使用者がいつでも自由に行えるというものではなく、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、労働者をやめさせることはできません(労働契約法第16条)。すなわち、解雇するには、社会の常識に照らして納得できる理由が必要です。


3 会社が倒産したら

会社が倒産して給料を払えなくなったときのために、賃金の支払の確保等に関する法律により、政府が会社の未払いの賃金の立替払をする制度が設けられています。

払ってもらえなかった賃金のうちいくらかが立替払されますので、そういった場合には労働基準監督署に相談してみましょう。


4 失業給付

失業してしまった際には、雇用保険に加入していた場合、失業給付が受けられます。失業給付を受けるには、会社を辞めた日以前の2年間に、11日以上働いた月が12ヶ月以上あることが条件です。ただし、辞めた理由が倒産や会社の都合による解雇、有期労働契約が更新されなかったためなどの場合、辞めた日以前の1年間に、11日以上働いた月が6ヶ月以上あれば、失業給付が受けられます。

また、失業した理由により、給付の開始時期や給付期間が異なります。給付が始まるのは、ハローワークに求職申込みをして離職票(従業員が会社を辞める際、会社に発行が義務づけられています)が受理された日以後、失業の状態にあった日が通算して7日間経過した後ですが、自己都合の退職や自分の責任による重大な理由により解雇された場合には、さらに3ヶ月経たないと支給されません。

したがって、退職の際に、本当は会社都合の解雇や退職勧奨に応じた退職なのに、自己都合退職などとしてしまうと、失業給付の際に不利になってしまいますので、会社から離職票を受け取ったら、離職理由欄を確認し、理由が違っていた場合には申立てましょう。

また、退職や解雇の理由についての証明書を会社からもらうこともできますので(労働基準法第 22 条)、もらって確認しておくとよいでしょう。


働く人のための相談窓口


総合労働相談コーナー


ハローワーク(公共職業安定所)


労働基準監督署



出典

知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~



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